ＧＷに突入しました！！……まぁどういうこともないんですが（笑）
わたしが東京都の日野市に住んでいることは前にも述べましたが、ここは『新撰組』で脚光を浴びた街でもあります。特に鬼の副長“土方歳三”ゆかりの地でもあることから、地元には新撰組のふるさと歴史館や、土方歳三資料館などがあります。
ＮＨＫの大河ドラマで有名になったようですが、残念ながらわたしはこのドラマ観ていないんですね～、新撰組の知識などは皆無に等しかったんですが、この街に住む以上すこし勉強しておかねばと思い立ち、小説を読むことにしました。この間それで司馬遼太郎の名著「燃えよ剣」（上下）を読破しました。
いや～感動しました。このひとの著書は「竜馬がゆく」ほか数冊読みましたが、文章中に余談などが交えてあってそのトリビア的な知識の豊富さに驚かされます。入念な取材を重ねた結果なのでしょうが、そういう部分が独特で飽きさせないのが司馬遼太郎の特徴のひとつでもあるんでしょうね～
わたしは去年この“王道”とも言うべき小説に先だっていわば予習……といっては失礼ですが三好徹著の「土方歳三－戦士の賦」（上下）も読みました。これも面白くてわかり易く、新撰組とその時代背景、そのた重要な登場人物もしっかり書かれていて入門編にはぴったりの小説でした。
せっかく“土方歳三”を題材にした二つの小説を読んだのでその感想を比較しながら述べて行こうかと思います。
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まず「土方歳三」という人物を二人の作家がどのように捉えていたか、読んだ上でのわたしの個人的な印象はこんな感じ。「司馬遼太郎」は土方歳三は幕末の歴史の中で時代を逆行させるテロリストであり、その集団である“新撰組”を組織した人物である。政治思想はなく、純粋に組織作りの才能、実戦の指揮能力、個人の戦闘力が秀でた人物であった。
出発点はおそらく否定的な見方でこの土方歳三を捉えていたであろう。その点「竜馬がゆく」と好対照で、上巻の序盤など殺伐としていて人物の冷酷さが目立っている。ところが、この人物にこんな一面があった、こういうエピソードがあったなどと書いているうちに土方歳三の魅力が溢れだしてきて、己の生きざまを最期まで貫いたダークヒーロー像が輝きを増し、読後の感動を呼び起こすような気がする。
「三好徹」の方は「燃えよ剣」からだいぶ後に出版された経緯もあり、土方歳三が上記の才能以外にも政治的な慧眼を持っていたが、敢えてそれに背を向けたような、最初から好意的な目で見られている。どちらかというと「北方謙三」的な「なんでもできちゃう、男の中の男」的なカッコよさが溢れている。
ゆえに「燃えよ剣」は政治的な動きに対して土方歳三自身の行動はそれほど影響しない。後半は盟友の近藤勇と別れて、戦場と死に場所を求めて闘い続ける、戦争のみ天才的な無学なケンカ屋として描かれている。
「土方歳三－戦士の賦」は、時代の激動に抗う為に土方歳三は考えて暗躍する。西郷隆盛を切ろうとしたり、大坂で榎本武揚と出会って金策したり、甲州の戦闘で増援を要請しに勝海舟に会いに行ったりと行動のスケールが一回りでかく、歴史に参加している男のロマンがある。
どちらも小説という性質上フィクションも多分に含まれていたり、事実を割愛した部分も多かったと思う。でも総じてこの“土方歳三”とうい人物には冷酷非道なだけではない、魅力があったことは確かだと思う。
王道という意味では、「燃えよ剣」は読み物として面白い。ただし「土方歳三－戦士の賦」は歴史の動きを少し学ぶことが出来てこちらもオススメなのである。ちなみに例の「北方謙三先生」も書いてらっしゃいます。「黒龍の棺」商品の紹介文を引用しますとこんなカンジ（笑）
時は、幕末。時勢は否応なく男たちを呑み込んで行く。土方歳三も、人を斬りながら新選組の活路を探し続けた。親友・山南敬助の捨て身の切腹、同志・近藤勇との別れの予感。やがて土方は、坂本龍馬が暗殺の直前に語った計画に、新選組の未来と己の夢を賭ける。命を燃やしながら奔った男たちの青春群像。見果てぬ夢を謳いあげた北方版「新選組」。
北方先生の大胆な解釈にしり込みしてしまいそうな高カロリーが予想されて、恐ろしくて手に取って読む勇気がありません（笑）
ところで５月の連休明けの週末には日野駅前で
第16回ひの新選組まつりが行われますね。少し興味があります。
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