
学研ユアコースシリーズ 世界の恐怖怪談 荒俣宏・武内孝夫 著
昭和52年5月1日 初版発行 定価480円
『世界の恐怖怪談』小学校の3年生のころ友達に借りて読んだ、ものすごいインパクトを残した本です。
内容は、世界の怪奇作家の短編集を子供向けにアレンジして30話ばかりを紹介する本で、お話の合間には挿絵が挿入されていて、エッシャー、ゴヤ、キリコ、ムンクなど、小学生にはちょっとトラウマを残しそうな絵ばかり集めて紹介されていました。

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だまし絵で有名なエッシャーもこの本で初めて知った画家で、別の機会に触れようと思いますが、まぁ、小学生には大変なインパクトを残したもんです!!!
[6回]

もうね、物語の挿絵もトラウマ必至で(笑)よくもまぁ、こんな怖い画が描けるものだと、感心してしまうほどでした。わたしたちの子どもの頃はこうした本がよく出ており、挿絵の迫力でトラウマ(笑)という、学研シリーズはよくハマって買ってましたね~ “ジャガーバックス”とか.....(笑)
ここで、名前を覚えた海外の怪奇作家「ラブクラフト」「フィリップ K ディック」「W W ジェイコブス」「レイ ブラッドベリ」などなど.....大きくなってからこれらを図書館や、古本屋で物色しては読み漁ったものです。
著者の一人、荒又宏氏はこの手の分野では有名な方ですが、原作をかなり絶妙にアレンジしておりまして、あとあと原作を読むと、そのギャップに驚かされます。紙数的な制限もあってか、子供向けに解りにくい部分を端折ったか、だいぶ話がカットされていて、その投げっぱなしぶり(笑)がかなり効果的!むしろ原作を凌駕していると思えるくらいです。
例えばSF作家の大御所「レイ ブラッドベリ」原作の「雨地獄」という話、金星に不時着したパイロット達が絶えず降っている雨によって頭がおかしくなっていくという話なんですが、原作では金星人の妨害をくぐりぬけて、なんとか最後の一人が中継基地にたどりつくというところでジ・エンド。
しかしこっちの本でのアレンジ版は、金星人などいるかどうかわからない!!最後の一人も降り続く雨の中頭がおかしくなりかけて歩き続け、どうなったかわからない!!!という投げっぷり(笑)こっちのほうが断然こわくて絶望的と言えます。(笑)
社会人になって この本、是非手元に置いておきたくて、古本屋で見つけて買ったんですが、そのときも大人が読んで耐えられる内容に驚かされたものです。
その本、だいぶ前に手放してしまったんですよね~....まぁ今となっては悔やまれます。

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